スポーツカーは危険なのか?いや、むしろ安全な要素が多いクルマです
どうも、スポーツカー大好きほるべー隊長です。
ご存知の通り、近年はハイブリッドなどのエコカーやミニバン、SUVブームに押されてスポーツカー市場は縮小しています。
個人的にとても残念ですが・・・
自分が免許を取得した90年代は国産車メーカーもこぞってスポーツカーを販売していましたし、自分より上の世代の方々はスポーツカーに対してもっと特別な思い入れがあると思います。
ただ、人気と需要が激減したスポーツカー市場ですが、最近は徐々に復活の兆しがあることも事実です。
例えばトヨタ自動車は新型スープラを販売しましたし、マツダのロードスターは今でも根強い人気があります。
海外メーカーに目を向ければ、ベンツ・BMW・アウディのドイツ御三家は相変わらずスポーツモデルをラインナップしてますし、フェラーリ・ランボルギーニ・マセラティなどの高級スーパーカーメーカーは依然として健在ですね。
スポーツカーが好きな人にとっては嬉しい限りですね。
駆け抜ける喜び『BMW4シリーズカブリオレ』
スポーツカーを一度でも所有した経験がある方ならお分かりだと思いますが、運転することの喜びや楽しみは他のクルマでは味わう事が出来ない唯一無二の存在です。
そんな復興の兆しが見られるスポーツカーですが、
「危険な乗り物ではないか?」
「事故率が高いのではないか?」
そんな負のイメージがありますよね。
しかし自分はそんな印象を真っ向から否定します。
はっきり言いますが、
むしろスポーツカーは安全なクルマなのです!
ミニバンなどと比較しても段違いに安全です。
いや、正しくは「安全と言える部分が多い」と言ったほうが正解かもしれません。
確かに危険な部分があることも事実です。
では、なぜスポーツカーは安全だと言えるのか。
危険要素も含めて解説していきますよ。
スポーツカーが安全な理由
ブレーキが超高性能であること
まずはこれです。
「走る」「曲がる」「止まる」というクルマの走行原理三要素があることはご存知の方も多いと思います。
この中で安全走行に最も大切なものは「止まる」という要素です。
いざという時に「止まれる」というのは安全運転に欠かす事ができない重要なポイントです。
残念ながら流行のエコカーやミニバンなどはこの要素を全く重要視していません。
いくら自動ブレーキが装備されていても、肝心の制動能力が低ければ物理的にどうしようもありません。
ではスポーツカーはどうなのかと言いますと、
桁違いの制動力を持っています。
どんな速度からでもしっかり減速・停止できるブレーキ能力を備えているのです。
例えば「宇宙一のブレーキ性能」との評価を受けている世界的スポーツカーメーカーのポルシェは、ブレーキ能力はエンジン出力の3倍の性能を備えることを基本としているそうです。
つまり、エンジン出力が500馬力であれば、ブレーキ性能は3倍の1500馬力を持たせるということです。そのくらいポルシェはブレーキ性能にこだわっています。
名車『ポルシェ911カレラ』
それから、スポーツカーには大抵ハイグリップタイヤが装着されています。
グリップ性能が高いタイヤを履いているということは、当然ながら制動距離が短くなります。
それが安全性にも寄与しているということです。
日本ではマヌケなことに「エコタイヤ」なるものが流行していますが、
そもそもスポーツカーに限らず、「エコタイヤ」という低グリップで危険なタイヤを履かせてはダメです。
危険そのものです。
エコタイヤなんてものは産業廃棄物に指定したほうがいいです
↓エコタイヤの危険性を解説した別記事です
いざという時に「止まれる」という性能は速く走る為のスポーツ走行だけではなく、結果的に安全に対しても大きなアドバンテージとなることは言うまでもありませんね。
意のままに操れること
「アクセルは踏んだだけパワーが出る」
「ブレーキは踏んだだけ減速する」
「ハンドルは回しただけクルマが曲がる」
この”当たり前で基本的なこと”が安全走行に大きく影響してきます。
ドライバーの操作に忠実な動きをしてくれるということです。
これについてもスポーツカーは一級品です。
各自動車メーカーも妥協せずに本気で造り込んでいます。
裏を返せば、それが出来ないメーカーは三流との評価を受けてしまいます。まさにメーカーの腕の見せ所ですね。
クルマが自分の思った通りに応えてくれるということは、いざという時の危険回避などにも大きく貢献するということです。
コーナリング性能や高速安定性も申し分がない
クルマの挙動が不安定になる山道などのワインディングロードでも、スポーツカーは抜群の安定性があることは言うまでもありません。
車高も低く低重心の設計ですから、道路にベタッと張り付くように走行できます。
基本的にスポーツカーはコーナリング性能が高いですから、より安全に駆け抜けることが出来ますね。
同じように高速道路でも素晴らしい直進安定性を誇ります。
例えば高速道路で時速100㎞の巡航をしようする場合、スポーツカーと一般的なクルマを比較してみましょう。
スポーツカーは時速200㎞や300㎞以上の走行も想定して造られています。
ということは日本の高速道路の上限速度である時速100㎞なんて朝飯前の速度です(新東名高速などは時速120㎞)。
対する国産大衆車では、せいぜい時速100㎞〜180㎞を上限に造られているクルマが多いですね。
この差は歴然です。
「余裕しゃくしゃくの時速100㎞」と「精一杯の時速100㎞」では必然的に安全度は違ってきますね。
それから、
強風時では車高の高いクルマはモロにその影響を受けて、常に不安定な状態での走行を強いられますので恐怖感と疲労感がハンパではありません。
そんな状況下でもスポーツカーは何事もないかのように走行できてしまいます。
これも特筆すべき点ですね。
スポーツカーが危険だと言われる理由
軽量であることと車高が低いこと
さて、さすがのスポーツカーでも危険な部分はあります。
その一つが、「車重が軽いこと」です。
日産GTRなど一部のヘビー級を除き、一般的にスポーツカーは軽量です。
軽いこと自体はブレーキが効くとか燃費が良くなるなどのメリットがあるのですが、
衝突安全性に劣るという弱点があります。
どうしても車重が軽いスポーツカーは衝突時に大きなダメージを受けてしまうという物理的な弱点があることは否めません。
ただ、軽自動車やコンパクトカーと比較すれば、遥かに衝突安全性は高いと言えます。
もう一つ、車高が低いことも衝突時には不利です。
大型トラックのドライバーが衝突時にダメージが少ないのは車体の頑丈さや重さ、大きさという要素もありますが、乗員の位置が高いことも大きく関係しています。
これがスポーツカーの場合、乗員の位置が低いですから衝突時のエネルギーをモロに受けしまうという欠点があります。
それから、視点が低い為に前方の状況を確認しにくいというデメリットもあります。特に近年はミニバンのような背の高いクルマが多いですから余計に見にくいです。
ただ、これは車間距離を多めに取ることである程度は対応できます。
ドライバーの問題
スポーツカーの危険要素として最も大きな原因として、ドライバーの意識の問題があります。
やはりスポーツカーに乗るドライバーはクルマ好きが多いです。
「クルマ好き=スピードを出す」という図式がありますからね。
スポーツカーは走行能力が高いですから、どうしても速度を出したくなってしまう乗り物なんですよ・・・
スピードを出したいからスポーツカーを購入するという人や、実際に峠などで無茶な走行をしている走り屋などもいますしね。
その結果、世間は「スポーツカーは危険」という認識を持ってしまうのでしょう。
総合的に考えるとスポーツカーは安全なクルマと言える
いかがでしょう?
果たしてスポーツカーは危険なクルマと言えるのでしょうか?
自分ははっきりNOと言わせて頂きます。
多くの方が誤解をしていると思いますが、スポーツカーは決して危険なクルマではありません。
むしろクルマそのものは安全走行のお手本のような造りをしています。
しかし、やはり問題なのは 「ドライバー」でしょう。
スポーツカーに乗ってバンバンスピードを出したり危険な走行をしたり・・・
そういう一部の暴走ドライバーがいるせいで、
「スポーツカー=危険」という印象付けがされてしまうわけです。
ですから高性能で速度を出せるクルマに乗った時でも、しっかり自己コントロールできるかどうかがポイントですね。
おわりに、
冒頭でも述べましたが、現在は軽自動車以外ではエコカー・ミニバン・SUVの人気が圧倒的です。これらのクルマに乗っていらっしゃる方や、購入を考えておられる方も多いでしょう。
しかしあまり知られていないのが残念ですが、これらのクルマはスポーツカー以上に危険な要素が多いと言わざるを得ません。
例えばブレーキ性能について・・・
ミニバンやSUVなど比較的重量があるクルマは慣性力が大きく働く為、簡単には止まれませんし、エコタイヤなんか履いていたら制動力は”屁”みたいな効きです。
本来、こういう重量があるクルマにこそ強力なブレーキシステムを装着すべきだと思うのですが、実際そうではありません。おそらくコスト削減の為や、そもそもユーザーがそういったことに関心が無いからでしょうね。
「エコで、多人数乗車が可能で、とりあえず自動ブレーキが付いてりゃいい」
という考え方では間違いなく日本の自動車業界は衰退していくでしょう。
そこをメーカー側はもっと考えて欲しいと思います。
さて、いろいろ書きましたがスポーツカーは間違いなく安全なクルマです。
しかし運転するドライバー側に問題があり、危険な車種との評価を受けていることが真実です。
せっかくこんなに魅力的な乗り物があるのですから、メーカーも我々消費者側ももっと健全にこの市場を盛り上げていきたいものです。
では今回はこの辺で失礼します。