ほるべー隊長のブログ

<20万円台ローランド電子ピアノを購入> 実際に使用してみた感想をレビュー

どうも、ほるべー音楽隊長です。

この度、数年間使用してきたヤマハ クラビノーバCLP-645を手放し、新しくローランドHP704に買い替えました。そのレビュー記事になります。

なぜヤマハをやめてローランド?

それも詳しく述べていきます。

f:id:horube:20210130122526j:plain

ところでローランドといえば日本の4大電子ピアノメーカーの1つで、

購入候補に挙がっているものの、実際どうなのかが分からずに迷っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな方々のために、同じ20万円クラスのヤマハ クラビノーバとの比較も交え、実際に使用した感想を出来るだけ詳しく述べていこうと思います。

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

厳密にはローランドHP704の価格は19万円台なのですが、今回は20万円台という括りにさせていただきます。それから、この記事はあくまでも『私個人の主観』によるレビューだということでお読みくださいね。 

 

 

自分のピアノ歴と他に所有しているピアノ 

さて、初めに簡単に自己紹介をしておきましょう。

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

どんな奴がレビューをしているのかを分かって頂いたほうがより参考になると思いまして(笑)

 

<ピアノ歴> 

●6歳からピアノを習う(クラシック音楽

●2001年、国立音楽大学卒業

●大学卒業後、一般企業に就職

●現在ピアノは趣味程度に弾き、ジャンルはクラシックに限らずゲーム音楽やポップスなど幅広く、お粗末ながら作曲もやり、最近は自身の演奏動画を撮影するのが楽しみの一つ

 <現在所有しているピアノ>

ヤマハ グランドピアノ(C3:1997年製)

ヤマハ アップライトピアノ(1975年製:形式不明)

●ローランド デジタルピアノ(HP704)※今回購入した電子ピアノ

 

 

ヤマハからローランドへ乗り換えた理由

さて、乗り換えた大きな理由は2つあります。

1、ヤマハ製品に飽きた

2、電子楽器専門メーカーが作る製品に魅力を感じたため

 

1つ目の理由「ヤマハに飽きたから」

初めて電子ピアノを購入したのが約20数年前、それからずっとヤマハ製を愛用してきました。なぜなら所有している生ピアノ(本物のピアノ)がヤマハ製でしたので、

「電子ピアノも同じメーカーがいいかも」

という単純な理由でした。

確かにヤマハ製電子ピアノはとても優秀ですし、買って間違いないです。

むしろこれから本格的にクラシックピアノを習う方にはヤマハのほうがいいかもしれません。

ヤマハ クラビノーバCLP-645

f:id:horube:20200103135903p:plain

まさに優等生的な電子ピアノです。

 

でも、そんな優等生に飽きちゃったんです(笑)

音色もヤマハの生ピアノに近いですし、

「せめて電子ピアノだけでも違う音色の楽器が欲しい」

というのが乗り換えた理由の1つです。

さらに詳しく言いますと、最近はクラシック音楽だけでなく、ゲーム音楽ドラクエなど)などのジャンルを弾く機会も増えてきまして、

あくまでも個人的な意見ですが、そういった音楽にはローランドの音が合うのです。

後の章で説明しますが、ローランド製電子ピアノには『電子音』的な要素(音色)がヤマハよりも多く含まれています。

もともとゲーム音楽は電子音が元になっていますから、そのようなジャンルにはローランドのほうがしっくりきます。

 

2つ目の理由「電子楽器専門メーカーが作る製品に魅力を感じたから」

ローランドは日本で初めて電子ピアノを作ったメーカーです。

しかも世界初となる、音の強弱を自在に付けられるという画期的な機能を開発しました。

それに追従するように他のメーカーも同じように電子ピアノの製造をスタートさせたという歴史があります。

ローランドは電子ピアノの元祖なのです。 

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

これってスゴイことですよね?

 

しかしローランドは本物のピアノを作っていません。ですが実はそれも魅力の一つだと考えています。

例えばヤマハやカワイは本物のピアノ製造で得たノウハウを電子ピアノの製造へ応用しています。ですから、どうしてもそれらのメーカーが作った電子ピアノは『本物のピアノの偽物』という印象があります。

対するローランドは電子楽器専門メーカーですから、

電子ピアノも『立派な楽器の一つである』という理念が感じられるのです。 

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

これがローランド製品に惚れ込んだ一番の要因です。

 

  

ローランド電子ピアノのレビュー

ではレビューを述べていきましょう。

ただし、例外はありますがこの記事ではあえて「良い点」「悪い点」を区別しません。

なぜなら、私が「良い」「悪い」と感じたことがそのまま他の人にも当てはまるとは限らないからです。

※例えば『音色やデザイン』の好き嫌いなど

ですから、純粋に自身が感じたことをありのままにツラツラと述べていきます。

 

 デザインが素敵であること

「音や弾き心地の前にそれかよ〜〜!」

という声が聞こえてきそうで恐縮なのですが・・・

デザインって結構大事かもしれません。

こちらをご覧ください↓

f:id:horube:20210130140203j:plain

自宅のリビングに配置した写真なのですがどうでしょう?はっきり言えばデザインの好みなんて人それぞれでしょうけれど、

めちゃくちゃオシャレで素敵じゃないですか?

ちなみに自分が選んだカラーは『ライトオーク調』です。

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

ピアノの上の乗っている観葉植物はダイソーから買ってきた造花です。緑が映えます(笑)

 

ローランド社は特にデザインにもこだわりを持っていて、過去に何度もグッドデザイン賞を受賞しています。

たとえ弾かなくても、そこに置いてあるだけでワクワクする気持ちになります。

これってとても大事な要素だと思います。

「電源入れてみようかな〜♪」

「ちょっと弾いてみようかな〜♪」

 という気分にさせてくれる不思議なピアノです。

 ↓こちらはローランドHPカタログより

f:id:horube:20201216223724j:plain

こんなモダンで素敵な部屋にはベストマッチしますね。

とても愛着が湧いて、ピアノを弾くことがもっと好きになれそうな電子ピアノです。

 

↓こちらも同じくローランド製DP603(ローランドHPカタログより) 

f:id:horube:20210130145430p:plain

こちらのモデルもスタイリッシュで素敵ですね。

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

ただし性能面ではHP704にやや劣ることや(スピーカー数など)、上部に楽譜などを並べておくことが出来ない構造なので選択候補から外しました。

 

ローランド社は他社の電子ピアノ(特にヤマハとカワイ)のデザインコンセプトとは明確に違う点があります。

ヤマハやカワイは本物のピアノを製造しているメーカーですから、出来るだけそれに近い(違和感が少ない)デザインを取り入れているように感じます。なぜなら、最終的には電子ピアノよりも本物のピアノを購入してほしいからでしょう。

対するローランドは先ほどから述べているとおり、電子楽器が専門のメーカー。

ですからヤマハなどのデザインにみられるような徹底的に電子ピアノっぽさを排除するのではなく、『電子ピアノとしての美しさ』を追求してデザインをしているのです。

 

この明確なコンセプトの違いはデザインだけでなく、この後の項で述べる『音色』などにも大きく作用しています。

 

音色はあくまでもローランドサウンド

さて、肝心の音色についてです。

はっきり言いましょう。

自分はヤマハ製のグランドピアノを所有していますが、その音色に近いのはローランドではなくヤマハ製の電子ピアノです。

ですから、ヤマハアコースティックピアノを基準として考えた場合、より違和感が少ないのは当然ヤマハ製の電子ピアノです。

↓20万円台ヤマハ クラビノーバシリーズの新型、CLP-745

f:id:horube:20201209005133j:plain

同じメーカーなので当然ですね。 
f:id:horube:20201207145846j:plain
ほるべー隊長

ちなみにヤマハはピアノ業界シェア世界No.1のメーカーですから、必然的にピアノ教室などで使用されるピアノはヤマハ製が多いです。 ですからピアノ講師などはヤマハ製の電子ピアノを勧めるケースが多いです。

 

ではローランドはどうなのかと言うと、 あくまでも『ローランドサウンド』。

実際に自分の印象として、

ローランドはヤマハ製に比べてやや電子音的な要素(音色)が強めだと感じます。

しかしこのように書くとあまり良い印象を持たれない人が多いのかもしれませんが、

電子音的要素が強いからといって、決してそれが悪い音であるとは言えません。

確かに、『よりアコースティックに近い音を求める』のならばヤマハやカワイのほうがよいのかもしれません。

ですから私個人の印象をさらに突き詰めると、

クラシック音楽を主に演奏したい人=ヤマハ

クラシックに限らず他のジャンル(ポップス・ゲーム音楽など)も演奏したい人=ローランド

このようなイメージです。 

  

それから、ローランドの高音域はヤマハ以上に透明感が溢れるきらびやかな音です。

特に、『音の響き』のレベルを高めに設定すると、鳥肌が立つくらいに美しいサウンドが堪能できます。

しかし低音域に関してはヤマハのほうが厚みがあります。

これに関してはもう、それぞれ個人の好みです。

ヤマハヤマハの音色。

カワイはカワイの音色。

そして、

ローランドはローランドの音色。 

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

ちなみに自分は30年以上ヤマハの音色にどっぷり浸かってきたので最初はローランドサウンドに違和感しかありませんでしたが、3日で慣れました。今ではこの音色にゾッコンです(笑)

  

ヤマハに比べて電子音的要素がやや強いとはいえ、ローランド製電子ピアノも本物のピアノの音を充分に研究して作られていますから、クラシック曲の演奏も充分満足できますし、立体音響を専門にしているメーカーですから『音の奥行き感・響きや立体感』はヤマハよりも上だと感じています。音の臨場感はかなりの完成度です。

 

ローランドはタッチ(弾き方)が下手だと本物のピアノ同様に良い音が出ない

本物のピアノは音を出す構造上、タッチの仕方によって同じ鍵盤でも音が違ってきます。
ですから、しっかりしたタッチをしないと良い音は出ません。
そしてローランドもその傾向がかなり強いように感じます。
よく、
「ローランドは誰が弾いても上手に聞こえる」
というレビューを目にするのですが、自分の感想は真逆です。
むしろヤマハのほうが、『誰が弾いても』『テキトーに弾いても』音はきれいです。
 
これについて理由を調べてみました。
 
電子ピアノの音を出す方法は2種類あり、
『サンプリング音源』モデリング音源』
があるそうです。
サンプリング音源は、あらかじめ録音されたピアノの音をそのまま再生する方法で、従来の方式です。ですから、テキトーに弾いても良い音が出るのが特徴です。
モデリング音源は、弾いた瞬間のタッチの強さや長さなどをコンピュータが自動的に演算し、その場で音を合成するという高度な方法で、ローランドが他のメーカーよりも先に突き詰めてきた技術だそうです。
ヤマハクラビノーバモデリング音源ですが、サンプリング音源の安定性も欲しいということで、今のところ搭載されている技術はこの2つを50%ずつ取り入れたハイブリッド方式です。
しかしローランドはまさに純度100%モデリング音源。

f:id:horube:20210608204133j:plainもはや楽器です。

ですから、しっかりと確実なタッチで弾かないと良い音は出ません。
本物のピアノと同じですね。
技術的にはまだ改良の余地はあると思いますが、とても良い練習になりますし、上達に繋がりますね。
 

鍵盤のタッチに関して

これはもう本物のピアノ並みの弾き心地です。

文句の付けようがありません。

鍵盤のぐらつきやブレもなく、鍵盤自体に密度が感じられて安定感抜群です。

表面の加工は白鍵も黒鍵も細かい滑り止めが施されており、少々の汗では全く滑りません。

ちなみにヤマハクラビノーバ(CLP-645)は目が荒い加工でしたが、私自身はローランドのほうが触り心地は好きです。

写真ではわかりにくいですが象牙調(白鍵)と黒檀調(黒鍵)になっています↓

f:id:horube:20210505212521j:plain

 

自分が購入したモデル(HP704)はPHA-50という鍵盤です↓

f:id:horube:20210502003454p:plain

(ローランドHPより抜粋) 

すばらしい完成度です。

それから「ローランドの鍵盤は軽い」とよく言われますが、そうではありません。

下記のサイト様で各メーカーの電子ピアノの鍵盤に分銅を乗せて重さを測る実験記事がありましたが、巷では「重い」と言われるカワイの電子ピアノと実測値はほぼ同じでした。

ヤマハはローランド・カワイよりも若干重い結果のようです。

mpc-web.jp

『楽器センター富山様』HP

 

結局のところ鍵盤の重さに関しては、

『軽すぎる』or『重すぎる』

というものでなければそれほど気にしなくてもよいですし、ローランド製に限らず20万円台電子ピアノならばどれを選んでも間違いはないです。

本物のピアノでさえ、機種や調律の違いでずいぶん差はあるのですから。

 

ちなみにローランドには100段階(ヤマハクラビノーバは10段階)で鍵盤の重さを変えられる機能が付いていますが、これは物理的な重さを変えるのではなく、

『弾いた時の音の出方の反応の良さ』を変える機能です。

軽い数値に設定すれば弱いタッチでもしっかりした音が出ますし、重い数値に設定すればその逆の反応を示すというものです。

少々インチキな機能ですが、指の力が弱い人などには重宝します。 

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

欲を言えば電子ピアノも本物のピアノと同様、物理的に鍵盤の重さを変えられるといいですね。

  

もう一つ、打鍵音(弾いたときに鍵盤が出す音)に関して。

ローランドはヤマハクラビノーバよりも若干ですが音は小さいですし、振動も少ないように感じます。

ですが、ローランドは弾く度に『サクサク』という妙な音が出ます。

ヘッドホンをせずに音量を小さくして弾いている時は多少気になる音かもしれません。

 

ローランドはスイッチ類が鍵盤の奥に配置されている

f:id:horube:20210505165648j:plain

これは好みの問題でしょう。
ヤマハクラビノーバはすべてのスイッチ類が左端に配置されていますが、私個人としてはローランドのほうが操作しやすいです。

音量調節や音色の調整、録音モードなど、スイッチ類が鍵盤の奥にある為、操作がとても楽ですし、操作方法自体もクラビノーバより簡単です。

確かに見た目ではクラビノーバのほうが本物のピアノって感じですが。

ただしローランドは鍵盤の蓋でスイッチ類を隠すことが可能です。

ちょうどスイッチ類が隠れる部分で蓋のスライドが一旦止まってくれる機構になっています。

f:id:horube:20210505170342j:plain
f:id:horube:20210505170415j:plain

これは画期的なアイディアですね。

演奏する時にスイッチ類や液晶部分が気になる人はこのようにするといいですね。
ただし、黒鍵を多用する曲では指が蓋に当たることがありますのでご注意を。

この点は改善して頂きたいと思います。

他に、これははっきりメリットと言っていいと思いますが、このようなスイッチの配置ですから左端に集中配置しているクラビノーバに比べて全幅が約10㎝ほど短いです。

ややコンパクトなサイズと言えます。

 

『蓋』に関連するメリットをもう一つ。

ローランドのこの機種(HP704)は蓋の開け閉めに連動して電源オン・オフ機能が付いており、クラビノーバのようにいちいち電源スイッチを押さなくてもよいので意外に便利な機能です。

 

外部への出力端子が充実している

ローランドはもともと電子楽器メーカーですから、ミキサーやパソコンへの出力端子が充実しています。

①USB Computer端子(PCと繋ぎ音楽制作などができる)

②USB メモリ端子(USBメモリに直接録音が可能)

③Output端子(外部スピーカーなどに接続可能)

ローランドの電子ピアノには価格帯・機種に限らずこれら代表的な外部端子がほぼ付いています。※一部装備されない機種もあるので注意してください

ヤマハの電子ピアノですとクラビノーバにはこれらが標準装備ですが、アウリスなどの下位機種には装備されていない端子もあります。

ちなみに自分は①や②を使用して自分の演奏を録音したり、パソコンで動画編集をして楽しんでいます。

電子ピアノを使った簡単な演奏動画の制作方法を解説した記事です。ご興味のある方はお読みください

horube.hatenablog.com

パソコンや動画編集アプリとの相性もいいですし、こういったことが簡単に出来るのもローランド製品ならではですね。 

 

付属のヘッドホンははっきり言って使えない

電子ピアノにヘッドホンは必需品ですよね。

ローランド製品も当然ながらヘッドホンが付属されているのですが・・・

↓左の小さいほうが付属品 、右は別に買いました

f:id:horube:20210505210123j:plain

写真で見てもわかるように、付属品は飛行機のエコノミークラスに付いている使い捨てヘッドホンのようです(左)。

まずパッドが小さくて耳を覆ってくれませんし、音質もイマイチです。

仕方なく新しいものを買いました(右)。

ちなみに購入したヘッドホンは同じくローランド製(RH-A7)です↓

f:id:horube:20210505211254p:plain

f:id:horube:20210130125613j:plain
ほるべー隊長

ヤマハ製品にはもっとマシなヘッドホンが付属していたのですが。ここは非常に残念な点ですね。 

 

 

まとめ

さておわりに。20万円台のローランド電子ピアノをヤマハクラビノーバとの比較も交えてレビューしました。
不満もありますが、トータルで考えると非常に満足度が高く、良い買い物だったと思います。
デザインの良さ、音色の素晴らしさなどもありますが、やはり一番の魅力はローランドは電子楽器専門メーカーだということで、
『電子ピアノは本物のピアノの模倣品ではなく、電子ピアノという楽器の一つである』
というメーカーのプライドや開発思想に惚れ込んでしまいました。
確かにローランドもヤマハと同様に『本物のピアノを意識した電子ピアノ』を作っていることに間違いはないのですが、そのアプローチの仕方が違うのだと思います。
 
いかがでしたでしょうか?
ヤマハやカワイも素晴らしいですが、ローランドも素敵ですよ。
ぜひ気になる方は使ってみてください。 
 
ではまた!