ほるべー隊長のブログ

日本ではアウトバーンのような速度無制限道路は実現不可能!その理由を解説します

どうも、ほるベー高速隊長です。

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世界的に有名な”アウトバーン”。

ご存知の方も多いと思いますが、速度無制限区間があるドイツの高速道路ですね。

速度無制限ということは極端な話、時速300キロで走行してもOKなのです。

 そんなスペシャルな高速道路ですが、なぜ日本には無いのでしょう?

それには幾つか理由があります。

日本の交通事情では不可能なワケが・・・

今回はその理由を解説しますよ。

 政令で定められている「設定速度」が120㎞/hまでしかないこと

日本には「設定速度」という政令があります。簡単に説明すると、「この道路は時速何キロまでなら安全に走行可能なのか」ということを判定する基準です。道路建設においては必ずこの法令が絡んできます。しかしその上限の速度が日本の場合、120㎞/hまでしかありません。それ以上の設定(評価基準)自体が無いのです。

つまり、

いくら超高速走行が可能な頑丈で安全な道路を建設しても、120㎞/hオーバーの設定自体がありませんから、政令を改定しない限り現状では実現不可能なのです。

これは”決まり上の問題”ですね。

道路自体の安全性や強度の問題

そもそも超高速走行するには道路の安全性が重要になってきます。カーブや勾配があれば危険ですし、遥か前方まで見渡せる直線路が超高速道路には必須条件です。

しかし現実はそうはいきませんよね。山岳地帯が多い日本ではなおさらのことです。

それから道路自体の強度も重要で、簡単に舗装が壊れてしまうようでは危険です。ドイツのアウトバーンは戦闘機の離着陸が可能なほど頑丈な造りだそうですよ。

ちなみに平成24年に開通した『新東名高速道路』の一部区間では、試験的に最高速度が120㎞/hに引き上げられましたね。新東名高速道路アウトバーンと同等クラスの強度があるそうです。

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運転するドライバーの問題

前述した政令道路建設の問題より、こちらのほうが大きい問題なのです。

政令などはわりと容易に改定できるそうですし、超高速に耐えうる道路建設技術においても日本はハイレベルです。

でも、日本では運転するドライバー自体に問題があるという理由で実現が見送りされているという実状があります。

どういうことか?

”きまり”を守ろうという意識の違い

まず「きまりを守る意識が低いこと」があります。

例えばドイツでは速度違反をするドライバーは日本に比べて圧倒的に少ないです。

なぜかというと、考え方自体が日本人とは違うからです。

例えば40㎞/h制限の道路があったとします。

ドイツ人的思考では

「ここは時速40キロ制限なんだろ?ならば法律だし守るのは当然」

と考えます。

しかし日本人的思考はというと、

「40キロ制限?事故らなければちょっとくらいオーバーしてもいいじゃん。みんなもやってるし」

となってしまいがちですね・・・

自分も反省・・・

これが決定的に違うところなのです。

まあドイツにはオービスが多いという理由もありますが

ドイツの方々は”きまり”を重視します。速度制限だけに限らず他の交通ルールをしっかり守ります。日本人は圧倒的にこれが不十分だと言われています。

ですから、きまりを守れない風潮がある日本での”速度無制限”は危険だという見方が強いのです。

余談ですが、日本は『譲り合いの精神』という面ではドイツよりも優れていると言われています。「法律重視のドイツ人」、「感性重視の日本人」ということですね。

日本は高速道路でのルールを守れない(知らない?)ドライバーが多いこと

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前項からの延長になりますが、日本の高速道路では各ドライバーがルール遵守を徹底しているとは言い難い状態になっているのが現状です。

例を挙げると

①延々と追い越し車線を走行する

②左車線から追い越す

などなど・・・

①に関して、追い越しが終わったのにいつまでも走行車線に戻らないドライバーがいますね。本来これは道交法違反になります。追越し車線は通常、追い越し以外では走行してはいけません。それから、後方から速いクルマが来ているのに全くどかない無神経なドライバーもいますね。これらはアウトバーンではありえない光景だそうです。

②もよくみかけますね。はっきり言って危険です。

一方アウトバーンでは、こんなデタラメなことをするドライバーは滅多にいません。追い越しが終われば速やかに走行車線に戻りますし、それぞれが速度に応じた車線を走行しています。

とにかくお互いがルールを守りながら、自車の”立ち位置”をわきまえているのです。

アウトバーンの豆知識

最後に、アウトバーンの豆知識を。

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アウトバーンを表す標識


建設の歴史

まずこの道路、第一次世界大戦後にアドルフ・ヒトラーが建設させました。ヒトラーは戦後に壊滅的なダメージを受けたドイツを復興させ、国民の生活が豊かになるようにと、アウトバーンの建設に着手しました。ウラでは、戦闘機の離着陸など軍事転用の目的もあったとの事ですが、結果的に頑丈な道路になったわけです。

通常ドライバーはどれくらいの速度で走行しているのか

アウトバーンの推奨速度(無制限区間)は130㎞/h程度だそうです。当然ながらそれ以上の速度で走行するクルマもいます。ただ、万が一事故を起こした場合、140㎞/h以上の場合は保険を適用外にしている保険会社が多く、youtubeなどの動画で見るような300㎞/hオーバーで走行するクルマは”ごく稀”だそうです。

ちなみに、アウトバーンでの事故率はドイツ国内では全体の15%程度、日本の高速道路と比較してもかなり少ない発生率になっています。

すべての区間が速度無制限ではない

アウトバーンといえど交通量の多い箇所などではしっかり速度規制が行われています。

都市部では渋滞も頻繁に発生するそうです。ですから速度無制限区間は郊外などの一部区間に限定されています。

アウトバーン育ちのドイツ車は頑強

ドイツといえば世界的に有名な自動車メーカーがありますね。メルセデスベンツBMWアウディフォルクスワーゲン、ポルシェなど。

これらのクルマはアウトバーンを走行するのに充分耐えうる基本構造になっていますから、高性能で頑強であると言われていますね。

ドイツ人の思考の一つとして、大金をはたいてこれらのハイグレードなクルマを購入してアウトバーンを利用すれば、

「もっと短時間かつ快適な長距離移動が可能になるから損はない」

という考え方があるそうです。

うらやましいですね

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日本にもアウトバーンを!そして交通の先進国に!

自分は日本にも速度無制限の高速道路が出来ることを願っています。

『新東名高速道路』などはその”実験”の意味もあるとの事で、多少期待はしております。

ただ、現状では厳しいでしょう。

やはり社会レベルで”きまり”や”ルール”を守る気運が高まらない限り、実現は不可能であると考えます。

せっかく日本には『譲り合い』という精神があるのですから、それにプラスして法を守る精神も実践していきたいですね。

 

今回はアウトバーンにスポットを当ててみましたが、とにかく日本もアウトバーンのような速度無制限の世界が実現できるような交通先進国になってほしいということが1番の理想であります。

煽り運転」が連日のトップニュースになるような低俗なことをやっている場合ではありませんね。

決して自分も誇れる運転をしているわけではありませんが、日本の交通社会全体が望ましい方向へ向かうことを願っています。

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では今回はこの辺で失礼いたします。

皆様も事故やトラブル無く安全運転でお過ごしください!