ほるべー隊長のブログ

「運転免許取得シリーズ①」教習所と一発試験のメリット・デメリットなどについて解説します

どうも、元教官のほるべー指導員です。

運転免許を取得する方法は2種類あります。

「教習所で取得する方法」と

「免許試験場での一発試験で取得する方法」ですね。

だいぶ以前になりますが、自分はとある自動車教習所にて教習指導員と技能検定員をやっていた経歴がありますので、今回はそれぞれが「どう違うのか」や「どちらがベストなのか」悩んでおられる方の為に、メリット・デメリットや相違点を解説をしていきますよ。

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 それぞれのメリットとデメリット

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教習所のメリットとデメリット

まずは一般的は免許取得方法である教習所から解説します。

<メリット>

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①ほぼ確実に免許が取得できること

②運転方法や安全運転の知識を基礎からしっかり習得できること

③通学が容易なこと

大きく挙げるとメリットはこの3つになります。

 

「①ほぼ確実に免許が取得できること」について

教習所での免許取得(合格)率は約98%です。つまり普通免許に限らず、どんな車種の免許でも通えばほぼ間違いなく免許は取得できるということです。これが教習所の最大のメリットと言えます。後述しますが免許試験場での一発試験の合格率は5〜10%とかなり低い合格率ですから、合格するまで何度も通うことになり、結局一発試験はあきらめて教習所に通う方もいます。

 

「②運転方法や安全運転の知識を基礎からしっかり習得できること」について

初めて免許を取得される方には絶対に必要な知識です。これなくして運転はできません。と言いますか、全く運転をしたことがない初めての免許取得の場合は、教習所に通うことが1番の近道になります。一発試験では不可能に近いです。運転経験が全くない方でも、教習所で「運転方法」や「交通ルール」を勉強することにより、正しい技能と知識を身につけることが出来ます。

 

「③通学が容易なこと」について

教習所はあちこちにあります。ですから自宅から比較的容易に通学が可能な場合が多いです。しかも今の教習所はサービスの向上を図っていますので、遠方でも送迎してくれるところが多く、通学自体に困ることはほとんどありません。それから、夜も営業していますので仕事や学校が終わった後の時間帯でも通うことが可能です。

 

<デメリット>

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①料金が高いこと

②希望する免許自体を取り扱っていないケースがあること

③取得するまでの期間が長いこと

④担当教官が性格的に合わない場合があること

代表的なデメリットはこの4つでしょう。

 

「①料金が高いこと」について

教習所に通う以上、これはもう仕方がありません。例えば普通免許の相場ですが、MT車で30万円前後に設定しているところが多いですね。

 

「②希望する免許自体を取り扱っていないケースがあること」について

実は教習所だからといってすべての車種を取り扱っているとは限りません。特に二種(大型・普通)や大型二輪免許を実施している教習所は比較的少ないですから、事前に調べる必要がありますね。

 

「③取得するまでの期間が長いこと」について

うまくいけば半日で取得できる一発試験と違い、教習は”規定時間”をこなさなくてはなりませんので、必然的に長い期間が必要になります。しかも希望する車種や時期、混み具合により大きく変動します。通常、高校生や大学生の方で普通免許を取得する場合は1〜3ヶ月程度、日中仕事をしている社会人の方が大型免許を取得する場合も1〜3ヶ月程度の期間は必要になります。ただ、教習所によっては短期取得コースや合宿コースなど、2〜3週間程度の短い期間で取得できるプランを用意しているところもありますから、自分に合った教習所を探してみましょう。

 

「④担当教官が性格的に合わない場合があること」について

教習所というと昔は”怖い”イメージがありましたが、今は昔に比べてずいぶんマシになりました。教習所も客商売ですからね。そうは言っても、やはり自分と合わなかったり教え方が下手くそな教官がいることは事実です。そんな場合はあきらめて我慢するか、担当を変えてもらいましょう。

一発試験のメリット・デメリット

次に一発試験についてです。

<メリット>

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①教習所よりも安く取得できる可能性があること

②全車種の免許試験を実施していること

③自慢?できること

この③つですね。③はおまけですが(笑)

 

「①教習所よりも安く取得できる可能性があること」について

これが最大のメリットです。一回の受験料が格段に安いですから、もし一回で合格できた場合はとんでもなく安価で取得できることになります。

↓ 東京都の例です※警視庁HPより引用

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主な試験手数料

大型二種・中型二種・普通二種

試験手数料:7,650円
免許交付手数料:2,050円

大型一種・中型一種・準中型一種

試験手数料:6,600円
免許交付手数料:2,050円

普通一種

試験手数料:3,350円
免許交付手数料:2,050円

大特・けん引・大自二・普自二

試験手数料:4,050円
免許交付手数料:2,050円

仮免許

試験手数料:4,350円
免許交付手数料:1,150円

審査手数料:2,850円

小特・原付

試験手数料:1,500円
免許交付手数料:2,050円
(原付試験に合格すると、原付講習受講料4,500円が別途かかります。)

 
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いかがでしょう?
教習所と比較するとめちゃくちゃ安いですね。
例えば一発試験で取得される方が多い「大型二輪免許」の場合で比較してみましょう。すでに普通二輪免許を持っていて大型二輪にステップアップしようと考える人は多いです。まず教習所の場合、料金はおおよそ10万円程度です。ところが一発試験では一回の試験料が4,050円(合格すると免許交付手数料2,050円かかります)ですから、計算をすると24回以内で合格すれば教習所よりも安上がりになりますね。

 

「②全車種の免許試験を実施していること」について

教習所では希望の車種を実施しているとは限りませんが、免許試験場ならすべての車種が受験可能です。

 

「③自慢?できること」について

これは”おまけ”ですが、確かに教習所で取得するより一発試験で取得したほうが難易度が高い分、自慢できます(笑)しかしどこで取ろうと同じ免許であることに変わりはないので、あまり意味は無いのが現状ですね。

 

<デメリット>

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①取得できる可能性が低いこと

②気軽に通えないこと

③取得までにどれくらいの期間が必要なのか不明なこと

大きなデメリットはこの3つです。

 

「①取得できる可能性が低いこと」について

一発試験の合格率は5〜10%でとても低いです。そう簡単には合格できませんし、1回目で合格できることは滅多にありません。ですから何回も通うことになるのですが、数をこなせば合格できるものでもありません。結局一発試験はあきらめて、教習所に通う人もいます。合格するにはスキルを身につけなくてはなりません。

例えば普通二輪免許を持っており、普通二輪車の運転に慣れている方でも大型二輪免許取得には平均で10回程度の回数は必要だと言われております。ですから、全く運転したことが無い車種の免許を一発試験で取得するのはほぼ不可能だと思って下さい。どこかの空き地で練習するなんてことも難しいですからね。

ただ、先ほど例に挙げた大型二輪の他、免許が失効したり取り消しになった方で、いわゆる「取り直しをする」場合であればもともと運転スキルがあるわけですから、合格できる可能性はありますし、不合格になってもその原因やアドバイスはしてくれますから、チャレンジすることは無駄ではありません。けれど、やはり教習所と違い確実に取得できる保証は無いのが現実ですね。

 

「②気軽に通えないこと」について

これは住んでいる場所の近くに免許試験場があるかどうかということになります。基本的に一部の都道府県を除き、各県に一つしかないのが現状です。気軽に通える距離ならばよいのですが、片道2時間以上もかかるのなら往復するだけで疲れてしまいますね。小旅行レベルです。しかも試験開始時刻は各都道府県ごとに決まっていますので、仕事終わりに受験するというわけにはいかないのが実状です。

 

「③取得までにどれくらいの期間が必要なのか不明なこと」について

ここまでお読み下さった方ならお分かりだと思いますが、結局のところ一発試験はいつ合格できるのかわかりませんので、取得までに必要な期間は全く不明です。

 

教習所にも実は2種類あります

あまり知られていない事実かもしれませんが、教習所は2種類あります。

①「公安委員会の指定を受けた教習所」

②「公安委員会の指定を受けていない教習所」

 この2種類です。

一般的に「教習所」というと①を差すことが多いです。

教習所の看板やホームページなどを見るとわかりますが、

「◯◯県公安委員会指定」とか

「◯◯県公安委員会公認」

などという表記がされているところです。

正式名称は「指定自動車教習所」です。

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では②と何が違うのかというと、①は免許取得の際に必要な技能試験を教習所で行うことができるということになります。

これが大きな違いです。

そもそも免許を取得するには、技能試験と学科試験をパスする必要がありますが、①の教習所では最後の学科試験(本免許試験)以外は教習所で行うということですね。

 

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例えば初めて普通免許を取得される方は、必要な技能・学科教習に加えて、修了検定(技能)・仮免許学科試験・卒業検定(技能)の3つの試験を教習所で行い、無事に卒業した後は一発試験でおなじみの免許試験場で本免許学科試験を受験することになります(視力などの適性検査も行います)。残念ながらこの本免許学科試験だけは指定自動車教習所でも実施することはできません。

他の例として、大型一種免許を教習所で取得する場合は、すでに普通免許などの下位免許を所持していますので学科試験は免除になり、教習所では教習の他に修了検定卒業検定が行われ、卒業後は教習所で発行された卒業証明書を持って試験場に行くことになります。そこで視力などの適性検査をクリアすれば免許取得です。

要は、1番の難関である技能試験を教習所でできるということですね。

 

対する②の教習所ですが、技能試験などを行うことはできません。

ですから主に一発試験を受けたい人やペーパードライバーの方が運転の練習をするための施設です。いわゆる「運転練習所」と呼んだほうがいいかもしれませんね。

①の指定自動車教習所とは全く別物だと考えて下さい。

 

「教習所」と「一発試験」どちらを選ぶべきか

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取得しようとする免許の種類や自身の運転経験によって違ってきます。

はっきり言えば、

運転経験の無い車種については

「教習所がおすすめ」

過去に運転経験がある車種については

「一発試験でも取得可能」

であると言えます。

前述した通り、やはり初めて免許を取得する方(高校生や大学生など)や、運転経験の無い車種については、一発試験は現実的ではありません。教習所とは違い、ほぼ間違いなく取得できる保証が無いことが1番の懸念事項ですね。

 

そうは言っても強いて挙げれば一発試験向きの車種はあります。

ズバリ、

「普通二輪免許所持者の大型二輪免許

「普通免許所持者の準中型免許

「普通免許等所持者の普通二種免許

「大型免許所持者の大型二種免許」 

などは比較的合格率が高く、一発試験で取得される方も多いです。

なぜかと言いますと、これらはすでに同サイズの車種の運転経験があるからという理由です。

それでも合格率は数%ですから、何度も受験することになる可能性は大きいです。

それから、二種免許に関してはたとえ一発試験で合格しても、その後に教習所で行う「取得時講習」なるものを数時間受講する必要がありまして、それだけで受講料も約5万円程度掛かってしまう事実もあります。

これらの事実を踏まえた上で、教習所なのか一発試験なのかを選んで下さいね。

 

<ちょっと裏話>技能試験に使われる言葉「検定」と「試験」の違い

「検定」と「試験」、それぞれの単語はみなさんも聞いたことがあると思いますが、なにが違うのでしょう?

それは、

教習所で行う技能試験の呼び名は

「検定」

試験場で行う技能試験の呼び名は

「試験」

それだけの違いです。

つまり、教習所の技能検定員が行えば「検定」で、試験場の試験官が行えば「試験」になります。

やる事は全く一緒ですし、採点の基準も同一です。自分も教習所の技能検定員として、過去に何人もの教習生を世に送り出していました。

ただし!

この2つ、合格率は全く違います(笑)

受験1回目での合格率は、

試験場5〜10%、対する教習所は85%以上です。

なぜ同じ試験なのにこうも違うのか?

みなさんはお分かりですね(笑)

大きな声では言えませんが、

教習所の技能検定員は”優しい人が多いから”とだけ言っておきましょう(笑)

 

まとめ

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いかがでしたでしょうか?

同じ免許取得という目的は同じですが、両者にはこれだけの違いがあります。

最後にまとめましょう。

ざっくり言いますと、

 

<教習所での取得がおすすめな人>

◯経験や自信の無い人

◯多少お金が掛かっても確実に取得したい人

◯しっかり勉強したい人

◯計画的に取得を考えている人

 

<一発試験での取得がおすすめな人>

◯運転に自信がある人

◯とにかく安く取得したいチャレンジャーな人

 

というようにまとめることができます。

いずれにしても、双方のメリット・デメリットをよく考慮したうえでトライして下さいね!

では今回はこの辺で失礼いたします。みなさんの免許取得を応援していますよ。

それから、無事に免許取得しても安全運転でお願いしますね!