冠攣縮性狭心症で自動車の運転は大丈夫なのかを考察する
どうも、交通カウンセラーのほるべー隊長です。
冠攣縮性狭心症を患っていても、
『クルマの運転は大丈夫なのか』
ということを解説します。
ちなみに自分は元教習所指導員・検定員であり、運行管理者第一種指導講師という肩書きがあります。
※現在はすべて退任しています
それに加えて、冠攣縮性狭心症という肩書き?もプラスされました。
ですから、専門的な立場+患者という立場からの考察・解説になります。
ただしこの記事は主に一般ドライバー向けの内容ですから、
トラック・バス・ハイタクなどのプロドライバーの方はこちらの記事を参考にして下さい↓
horube.hatenablog.com
2つの条件をクリアすれば運転は大丈夫
さて、実際にこの病気になってからも自分は毎日普通に運転しています。趣味のドライブにも行きます。
ただし、医師のアドバイスや自身の経験から2つの条件を履行することが重要だと考えます。
それは、
①「治療を行っており、医師のお墨付きをもらうこと」
②「自分の症状の特徴を把握して対策すること」
この2つです。
①治療を行っており、医師のお墨付きをもらうこと
まず①ですが、冠攣縮性狭心症と診断されて治療を受けているということです。
さらに、先生から運転しても大丈夫だと言われた人。
これは大前提です。
逆に言うと、
この病気を患っている可能性があるのに、医者にも行かずにほったらかしでは絶対にダメだということです。
ほったらかしは運転どころの話ではなく、命に関わる問題です。体調の異変を感じたら早めの受診を!
例えば・・・
『バスの運転手が心臓発作で事故を起こした』
という悲しいニュースを見たり聞いたりしたことがありませんか?
実はこういった事故は、
そもそも治療を受けていなかった為に起きたというケースが非常に多いのです。
自分は仕事上、常に警察庁や各関係機関からそういった情報を得る事が可能なので間違いありません。
要は体調の変化・不良を感じつつも医者に診てもらってなかったというわけです。
しかも治療を受けていないということは発作の特効薬である”ニトロ”も持っていませんから、発作が起きたらどうしようもありません。
確かにバスの運転手さんの気持ちも分かります。
「乗客のことを考えると自分の発作が原因でバスを止めるわけにもいかないから、やむを得ず運転を継続する」
という心理状況でしょうから、発作を我慢して運転を続けることになります。
しかし、
発作が起きている状態での運転は不可能に近いです。
結果的に事故に繋がるわけです。
これが、治療を受けているドライバーであれば常に薬によって発作は抑えられていますし、万が一発作に見舞われたとしてもすぐにクルマを停めてニトロを使うことができるわけです。
とにかく治療を受けているということが大前提です。
②自分の症状の特徴を把握して対策すること
次に②ですが、自分の症状を把握しておくことです。
具体的に言いますと1日の中で、
『いつ』『どんな時』に発作が来やすいのかを知っておくということが重要です。
<自分の場合を例にすると>
例えば自分の場合は『起床時』が一番発作が起こりやすい時間帯です。
しかし起きてからしばらく経ってしまえば(自分の場合は約1時間半程度)まず発作は起きません。
この病気の特徴ですが、身体が活動的な状態に切り替わってしまえば一般的に発作の可能性は低くなるそうです。※当然、個々の症状のケースにより違いはあります
服用している薬も効いてきます。
ということは、
自分の場合はまず朝の出勤時にクルマを使いますが、
少なくとも運転(出勤)する1時間半前に起床しておけば運転時は大丈夫ということになります。
言い換えると、起きてすぐの運転は危険だということです。
寝坊をしなければいいってことですよ
それから、
前の晩にお酒を多く飲んでしまったときの翌朝は結構高い確率で発作がきます。
これも対策は簡単で、お酒を控え目にすればよいということですね。
それが難しいんですけどね(笑)
自分の場合はこんな対策が有効になっています。
それでも発作が起きてしまったら安全に停車してニトロを使います。
でも冠攣縮性狭心症といっても人によって症状の程度は様々ですから、主治医の先生との相談なども活用して自分の発作の特徴を把握し、有効な対策をしていきましょう。
※ ※ ※ ※ ※
以上、この2つをクリアすれば、安全に運転は可能だと言えます。
運転上の注意点
次に、運転する時の2つの注意点を挙げます。
①運転中はなるべく平常心を保つこと
これは非常に大事です。
気持ちがイライラしたり、不安感に襲われた時は心拍数が上昇します。
その結果、心臓に負担をかけて発作の引き金になることもあります。
そもそも”運転という行為自体”が想像以上にストレス負荷が掛かるものです。
常に平常心を保ちましょう。
②時間には余裕を持つこと
時間に追われて運転することも良くありません。
これもかなりのストレス負荷が掛かるということが専門家の分析で明らかにされていますし、事故につながってしまう危険性もあります。
とにかく時間には余裕を持ちましょう。
※ ※ ※ ※ ※
前述した「平常心を保つ」に加えて「時間に余裕を持つ」。
主にこの2つを意識するだけで身体への負担は激減します。
この病気は「怒り・焦り・不安」などの気持ちの変化が発作の引き金になる場合が多いですから、
『気持ち』も『時間』も余裕を持ってのんびり走るのが1番です。
運転中にニトロなどを使用する際の注意点
運転中に万が一発作に見舞われた場合、ニトロなどの投与が必要になります。
この病気を経験している人ならお分かりだと思いますが、
幸いこの病気は発作が来る前にモヤモヤ感などの”前兆”がありますから、本格的な発作が来るまでには幾らか時間の猶予があります。
ですから、すこしでも『発作の前兆』を感じたら先手を打ってニトロ投与をすると良いですね。
ただ、人によってはニトロによるめまいや頭痛などの副作用が強くでる場合がありますから、そこを考慮して一時運転を中断するなどの判断は必要になってきます。
自分はニトロの副作用がすごくて、服用したら最低30分は運転できません・・・頭がクラクラ
おわりに
いくら冠攣縮性狭心症といえど、このように特徴を把握して対策をしていれば、運転は大丈夫であるケースがほとんどだと言えます。
ちなみに、運転免許制度(道交法)ではこの病気を患っていても特に運転に規制や条件などはありません。※R2.11月現在
厄介な病気ではありますが、気を付けるポイントを押さえて上手に付き合っていけばよいのです。
では皆様もお身体を大切に、安全運転で!!
病気後に初めて長距離運転をした記事です。参考にしてください。↓
horube.hatenablog.com